山田の考えるフレームの過去と未来

100年前から50年前までスチールフレームの時代です。
この時代は大手メーカー,ビアンキやボテッキアなどのレースを目指していたメーカーがレースに参戦し,
そしてそこから得られたフレームに対するノウハウがものをいい,永い間大手メーカーの時代であった。
50年ほど前からはスチールフレームの進化したCRMO(クロモリ)フレームの時代です。
特別な技術を要するデリケートな素材のこのパイプは,すぐには大手メーカーには馴染まなかった。

 

この時代レースに参戦し引退した選手の一部が,この分野に進出。
またレーサーというものに魅せられていたビルダーの中に,いち早くこの分野に取り組んだ者達がいました。
チネリやコルナゴ・デローサなどです。日本でも片倉など小さい工房の開花です。
東京オリンピックの時,日本ではチネリと片倉両メーカーが日本チームの使用自転車の候補に上がり,
片倉の使用がなされた。大手メーカーではなく片倉であった。

この後しばらく手造りの小メーカーがレース界を支配する時代です。
大手メーカーのサポートするチームの選手が優勝しても,
その選手の自転車は小メーカーのフレームに大手メーカーのカラーとデカールを付けた物であることは周知の事実であった。
その時代の中にあってアランというメーカーがアルミフレームでシクロクロスの世界でチャンピオンになり連覇した。
新しい時代が感じられる出来事である。

 

同じくこの時代にメルクスのライバル,ルイスオカーナがツール・ド・フランスのタイムトライアルでチタン車を使っている。
アランはアルミパイプをアルミラグに差込みエポキシ系接着剤でつなぐ接着フレームである。
この工法は他社も採用し,色々なフレームが世の中に登場したが,パイプの抜けが多発しなかなか主流にはなり得なかった。
カーボン素材もモノコックで登場したが,工法が難しく出来上がったフレームは意外にも軽くはなかった。
カーボン・チタン・アルミの新素材は出揃ったが,工法の開発競争である。

 

クロモリ全盛の時代にあって,水面下では次の時代の開発競争がなされていた。
そして20年ほど前 LOOK社はカーボンパイプとアルミラグでつくられたフレームで
ツール・ド・フランスに勝利,他社が接着に苦しむ中LOOK社はパイプ抜けを押さえることに成功。世界中にLOOKブームを巻き起こした。
ほどなく他社も接着フレームの開発に成功。この中にアジアのジャイアント社もありました。
10年間接着フレームの時代がくるのではないかと思われていました。
しかしまだクロモリフレームの時代ではありました。

アメリカの風

10年ほど前クライン社から始まった超肉薄の極太パイプのティグ溶接フレームは,キャノンデール社で大ブームを起こした。
それまでのフレームは非常にスマートなものであったが,このフレームは見た目にごつくいかにも重そうであるが,持ってみるとそれまでの物とは別次元の軽さである。
このごつさと軽さのアンバランスさが,軽さを実際の重量よりいっそう軽く感じさせる物でした。
このフレームの成功によりクロモリフレームは主流から落ちアルミ時代に入りました。
ヨーロッパの小工房もこのアルミフレームの製作に入り,クロモリフレームがツールで走ることはこの後なくなりました。
キャノンデールのアルミフレームにわずかに遅れはしたが,トレック社もOCLVカーボンフレームの開発に成功。
それまでのカーボンフレームより軽く,かつ程好い硬さと丈夫さを兼備えたフレームそれがOCLVです。完成度の高さは当時段違いでした。

メタルマトリックス

それまでアルミパイプをパイプメーカーから買って造っていた他社と違い,スペシャライズドは独自のパイプを開発,
メタルマトリックスパイプで造るフレームを発表。それまでレース界はヨーロッパ車の時代でしたが,ついにアメリカ車が参戦する時代になりました。

複合フレーム

ピナレロ社は新しいフレーム,カーボンフォークにアルミフレームの全盛時代にアルミフレームの後をカーボンステーにしたフレームを発表,
そしてツール・ド・フランスを制覇。その後アルミの高級車の後はほとんどカーボンステーになりました。

そして ランス・アームストロングの登場。
OCLVでツール7連勝の間に,勝てるフレームはついにカーボンの時代になりました。
実はLOOK社の接着カーボン車と違い今度のカーボンフレームはモノコックだったのです。
小工房でもできたアルミフレームのカーボンバックの時代が終わり,金型の投資が出来る大手メーカーの時代に戻ってきたと思われます。
ツール・ド・フランスでの使用自転車中,小工房でスタートして生き残っているのはコルナゴ社だけになってしまいました。
これは私から見ると当然のことで,コルナゴ社はレース界で得たノウハウとお金を蓄えておき,必要な時に投資し変化に対応できたことにあります。

 

それではフレームの近未来はどうなるか?私の予想では再び小工房が復活すると思います。
それはOCLV工法の解明にかかっています。
10年以上前に登場したOCLVフレームは現在でもNO.1フレームです。そしてこのフレームは実は接着フレームです。
他社はこの安上がりでありながら高完成度のフレームを今でも解析できていません。
OCLVは特許をとっていないのでその工法を公開していないのです。
トレック社は解析できないと自信を持っているようですが,いつまで続くことでしょうか?
カーボンパイプメーカーとラグを造るメーカーが解析に成功したときに小工房はこれを購入し,
大手メーカーには出来ない選手に合わせた細かい寸法のオーダーをすることによって復活すると思っています。
果たして予想が当たりますでしょうか・・・。ここ数年が楽しみです。

 

私が思うカーボンフレームトップ3は
1.トレック
2.コルナゴ
そして大きく離れて
3.ジャイアント と思っています。

 

茶輪子の

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